韓国ドラマ『恋慕』の世界観が好きで,第8話のあらすじを詳細に記録しています.
時代物は難しく,韓国ドラマは伏線回収が多いので,自分のための備忘録です.
(やっと)ロマンスが増えてきた8話は,10000文字あります...とても長いです.
何かのお役に立てれば幸いです.
恋慕 あらすじ
前回のあらすじ
こちらをご参考ください.
【恋慕】全話あらすじ
第8話 あらすじ
今回の登場人物
イ・フィ | 世子.双子の兄の死後,男装しフィの代わりを務める |
チョン・ジウン | 侍講院:講書担当の司書,ソクチョの息子,フィの初恋の人 |
チャウン君 (イ・ヒョン) |
従兄,ウォンサン君の弟 |
キム・ガオン | フィの護衛武士 |
ホン内官 | 東宮殿の内官 |
キム尚宮 | 東宮殿の尚宮,元嬪宮の至密尚宮 |
太監 | 明国の使臣団,朝鮮人 |
礼部侍郎 | 明国の使臣団,明国留学中のジウンに命を助けられる |
太監の護衛 | 明国一の剣客 |
後宮の父 | 朝鮮人,太監の恋人の父 |
恵宗(へジョン) | 王,フィの父 |
ユン・ヒョンソル | 内禁衛長(王の護衛) |
パン・ジルグム | ジウンの代わりに三開房を運営 |
中殿妃 | 恵宗の継妃,フィの継母 |
ウォンサン君 | イヒョンの実兄,フィの従兄 |
ジェヒョン大君 | 王子,フィの腹違いの弟 |
第8話あらすじ
世子は太監を何度も殴りつける.
王に呼ばれ,王の前でフィは正座をしうつむく.王は「なぜだ,大変なことをしてくれたな.そなたには失望させられた」と言い去る.
うつむいたままのフィは涙を流しているところ,ジウンがやってきてフィをハグし,優しく背中と叩いてあげる.「よいのです.世子は少しも間違っていません」と言う.フィはジウンにしがみついて,涙を流す.
フィの部屋に移動し,フィとジウンは向かい合って座わり,ジウンがフィの出血している下唇の手当てをしてあげ,「太監を殴り飛ばすほどお強いのに,これしきの傷で」と言う.
フィは「結構です」とジウンの手を払おうとするが,ジウンは「手当てはさせてください.」といって,殴ってできた拳の傷の手当てを続け「今,言うべきことか分かりませんが,迎賓館で私をご覧になったかと.幻滅されたなら申し訳ありません.しかし,恥ずべきことは何もしていません.もし誤解されたのであれば・・・」と言う.
フィは「誤解はしていません.チョン司書(ジウン)はそんな人ではないと分かっているので」と答える.
ジウンは「では,なぜ宴席であのように冷たい態度を?」と聞く.
フィは「それは・・・私のせいでチョン司書に迷惑を掛けたくなくて」とうつむき答える.
ジウンは「私も同じです.この気持ちがお分かりなら,もう冷たくしないでください」と言い,フィは顔を上げてジウンを見る.ジウンは「できました.もう大丈夫です」と言い,フィの手を放す.
フィはキム尚宮の髪をとく.
キム尚宮は,自分の切り落とされた髪を胸に抱き「本当にお気遣いなく 怪我をなさっているのに」と言うが,フィは「いいから動くな.」と言い,キム尚宮の髪をリボンで一つ結びにしながら「きれいだ.短い髪も美しいものだ」と声をかける.
キム尚宮は無理に笑顔を作ろうとしながら「世子様に髪をすいていただけるなんて,こんな贅沢はありません」と言う.
そこへ,ホン内官が入ってきて「太監の使いが来て,礼部侍郎とチョン司書を呼び,酒を飲もうと」と伝えると,フィは「太監が?」と不安そうに答える.ホン内官は「翊衛司:イグィサ(護衛部隊)を配置しましょうか?」と提案するが,フィは「不要だ.これ以上ことを大きくすべきではない.先に行くから,そなたはチョン司書をお連れしろ」と命じる.
フィは,護衛武士ガオンを連れて会食の席へ行くと,太監が一人で席に座っていた.
フィは「礼部侍郎はどちらに?」と太監に聞くと,太監は「酒を酌み交わせば,わだかまりは解けます.周りを巻き込むのはやめましょう.お座りに」「和解のついでに面白いものをお見せしたくて,お呼びしました.」と言うと,大きな刀(?)をもった大きな男が入ってくる.太監も太監のお付きの男もニヤリと笑い,太監は「世子様の護衛は朝鮮一の剣客だそうですね.どちらが勝つと?」と大男を指差しながら言う.フィは「知りたくありません.こんなことで呼び出したのなら私は失礼します.」と席を立ち,ガオンを連れて歩く.
太監は大男に目くばせをし,大男は走り出しガオンに体当たりをし,ガオンは倒される.
フィが「何をする.やめぬか」と言うが,大男はガオンを殴りつける.
太監は「明国一の剣客です.主の危機に不在をしておりましたゆえ挽回する機会を与えてやるべきかと」とほくそ笑みながら言う.
フィは「やめさせるのです.」と言うが,太監は「この私を痛めつけておいて,配下の者がやられるのは許せぬと?」と言う.ガオンは大男に殴りかかるが倒され,大男は刀で斬りかかりガオンを傷つける.
さらに大男が斬りつけようとしたところをフィがガオンの前に立ち「やめぬか.この朝鮮の地で私を傷つけて無事だと思うか?」と大男に怒鳴り,大男は後ずさる.
フィはガオンに手をかけ「大丈夫か?」と声をかけているところ,大男がフィを斬りかかろうとする.それを見たガオンはフィをかばい背中を大きく斬られてしまう.さらに斬りつけようとする大男だったが,大男の首に剣が伸びてくる.
ジウンは,大男の首に剣を当てながら「世子様に指一本でも触れたらお前の命はない.私が殺す」と言い,「大丈夫ですか?世子様」とフィに声をかける.
そこへ「世子様~」とホン内官が礼部侍郎を連れてやってくる.
礼部侍郎は「何をしておる.医官を呼べ」と叫ぶ.ホン内官はフィに倒れ血を流し支えられているガオンを見て「おい,しっかりしろ」と慌てる.
太監は鼻で笑いながら「興がさめた.」「世子様の前で剣を抜くとは無礼者め」と大男に言う.
それを見たフィは太監の前に立ち「どういうことですか?」と問いかけると,太監は「図らずも気が高ぶったようです」と言う.
フィは「不満があるなら私にお話しください.これ以上周りを巻き込まず」と言うと,太監は「めっそうもないことです.下の役目は主の代わりに罰を受け尻ぬぐいをすることでしょう」と言う.
フィは「なぜ,このようなことを?望みは何ですか?」と言うと,太監は「望み?1つだけありました.世子様のように苦労を知らず育ち民を慈しむ素振りを見せる人間を一人残らず痛めつけることです.では酒席は,また別の機会に」と言って去っていく.フィは拳を握りしめる.
ジウンに背負られ布団に横になるガオン.
ホン内官はガオンの傷をみて「大変だ.ひどい傷です.助かるでしょうか」と慌てている.
ジウンが「幸い出血は止まりましたが傷が深いので何とも言えません」と答える.キム尚宮は「一体どうして,このようなひどいことを?」と嘆く.フィは横たわるガオンを見つめる.
チャウン君は机に座り,王に叱責された後のフィに会いに行ったとき,ジウンに優しく抱きしめられ背中をトントンとされているフィの姿を思い出していた.
そこへ「迎賓館から知らせが来たのですが,世子様の護衛が太監の護衛に斬られたと」と報告の者がやってくる.チャウン君は「世子様はご無事か?」と尋ねると,「はい,東宮殿に戻られました.」と答える.安心したチャウン君は「太監は迎賓館にいるのか?」と聞く.
太監は「今,何と?私の前でそのような話をするとは」と朝鮮の人に剣を向ける.
男は「お互いに血を見るような真似はやめましょう.あの子を哀れに思うなら.言うとおりにしろ.」と言うと,太監は剣を振りかざそうとするが思いとどまる.太監は「明日の夜,屋敷に出向くから待っておれ」と言うと,男は「分かりました」と部屋から出るため扉を開ける.そこにはチャウン君が立っていた.
チャウン君と太監は向かい合ってテーブルを座っている.
太監は「こんな夜更けに何のご用でしょうか?」と言う.チャウン君は「世子様の護衛が太監の護衛に斬られたとか.東宮殿の尚宮だけでは飽き足らず,今度は護衛を.理由が気になりまして」と言う.太監は「護衛同士のもめ事でいちいち大げさに」と答える.
チャウン君は「そういえば興味深い話を聞きました.“皇帝が信頼を寄せる人物が皇室に入る品物を横領しているようだ”“おそらく皇帝の内ド金にも手をつけている”と.それが誰か気になりませんか?」と言う.
太監は「そんな根も葉もないうわさ話で私を脅せるとでも?」と答える.チャウン君は「皇帝は太監に大いに期待されているとか.その分 失望も大きくなる.これ以上騒ぎを起こさぬよう,お帰りまで静かにお過ごしください」と言い立ち上がると,太監は「面白い.そのような忠告を私にする理由はないはずだ.」と言うと,チャウン君は「ご存知でしょうが,理由ならいくらでもあるのです.」と言う.
床に横になって眠るガオンを,フィは横で見守る.
ガオンは目を閉じ瞬きしている.
回想≪“よってカンを打ち首の刑に処す”と男の首を斬られ,それを見つめる男の子の姿.≫
フィがガオンの額の汗を拭きとろうとすると,ガオンは目覚め,フィの腕をつかむ.フィであることに気が付き,起き上がろうとする.フィは「まだ動くな.傷が深い」と横にしようとするが,ガオンは拒否し「申し訳ありません.世子様をお守りできませんでした.」と言う.フィは「私こそ,そなたを守ってやれなかった.そなたの怒りは何だ?つらい夢をみていたようだな」と聞くが,ガオンはうつむき答えない.ガオンの左肩に大きな傷跡がある.フィは「傷が良くなるまで,起き上がらず安静にしていろ」と命じて部屋を出る.
チャウン君が東宮殿にやってきて,外に立っているフィを見つける.
チャウン君は「護衛は大丈夫ですか?」と聞く.フィは「一命は取り留めました.東宮殿の者たちをひどい目に遭わせてしまい心苦しいです.」と言う.チャウン君は「世子様のせいではなく,悪いのは太監です,危険な人物です.何かあったら,すぐに私にお知らせください.世子様の心が傷つけば私の心も痛いのです.だから私に頼ってください.」と励ます.フィは「ありがとうございます.」と答える.
「太監の宿所で怪しいものを見たと?」とジウン.
チャウン君は「そのことで手を貸してほしいのだ」と言い,ジウンはうなづく.
「“貢ぎ物を倍にしろ”と?一方的に要求を?」と王の前でフィは王に尋ねる.
フィは「太監に聞いてみます」と答えると,王は「必要ない.余が解決する.そなたは口を挟まず下がっておれ.」と命じる.フィは「それはできません.太監との問題は私が解決いたします.私を信じてください.私にもう一度機会を与えてください.」と王に頼む.
ホン内官は「また,あの太監が?同じ朝鮮人通し 助け合うべきなのに.嫌がらせばかりして」とフィに話しかける.
フィは,太監の「望み?世子様のように苦労を知らず育ち民を慈しむ素振りを見せる人間を一人残らず痛めつけることです.」と言う言葉を思い出し,「チョン司書は礼部侍郎の恩人だと?」とホン内官に尋ね,「太監を調べる」と言う.
夜,「今夜,太監を尾行すれば何か分かるはず」とチャウン君に頼まれたジウンは顔を隠し,韓服姿の太監を尾行する.
ホン内官と一緒に歩くフィ.
ホン内官は「チョン司書は侍講院を不在にして,迎賓館には何の用でしょうか?」とフィに話しかけると,尾行を始めるジウンを見つける.フィは,ホン内官をその場にいるよう指示し,一人でジウンの後をつける.
太監は「ここから先は一人で行く」と言い,お付きの人を置いて屋敷の中に入っていく.
後をつけるジウンの気配を感じたお付きは,ジウンを兵士で取り囲む.お付きは明国の言葉で殺せと指示し,兵たちはジウンに斬りつけていく.応戦するも腕を斬られてしまう.そこへ,顔を隠したフィが剣を持って助けに入る.ジウンは「なぜここへ?」と尋ねるが,フィは「お気をつけて」と答え,2人で兵達と戦う.
屋敷の中では,太監は持ってきた貴金属を昨夜の朝鮮人に渡し,「あのことでまた私を脅したら,そなたの首はないと思え.」と言う.朝鮮人は「分かっております.これが最後です」と答える.太監は帰ろとしたが,部屋の棚にあった飾り物を見つめる.そこへ,お付きの人がきて「つけられていました.早くお逃げに」と言う.
兵たちと戦うフィとジウン
.ジウンは腕を斬られ,フィは顔を隠していた布を斬られる.そこへチャウン君が官軍を連れやってきて「一人残らずひっ捕らえよ」と命じる.フィとジウンは,その隙に逃げ隠れる.チャウン君は.逃げようとしている太監を見つけ,追いかける.
追いかけようとするジウンに,フィは「手遅れです」と.ジウンは「調べることが」と答え,フィは「無謀すぎます.」と言い,ジウンの腕の傷を見つける.「傷が深すぎます.手当てしないと」と布で手当てする.ジウンは「私の事より世子様にお怪我は?」と尋ねるが,フィは左腕や体にも傷があることを見つけ「なぜ危険なマネを?」と言い,ジウンの腕を取り,「 この傷では歩けません.私に寄りかかるのです.」といって,ジウンの身体を支えながら,歩き出す.
チャウン君は太監の間に立ち,「こんな夜更けにどちらへお出かけに?」と尋ねる.
迎賓館で向き合って座るチャウン君と太監.
太監は「久しぶりの訪朝で見物したいものが多くて.問題でも?」と答える.チャウン君は「先ほどある場所で怪しい動きが目撃されたので,太監を狙った刺客ではないか.迎接を任された者として心配になりまして.」と言う.太監は「ご心配なく,官軍はお下げに」と言う.チャウン君は「そうはいきません,何かあれば大変ですので,朝鮮を去られる日まで迎賓館の警護を強化いたします.」と言い,官軍が取り囲む.
チャウン君は「太監の隠し倉庫が近くにあるはずだ.つぶさに監視を続けよ」と官軍に指示を出す.
フィに支えられ歩くジウンは「太監が怪しい者に会うと聞き尾行しておりました.」と言う.
フィは「それでも無謀すぎます」と注意すると,ジウンは「すみません.お役にたちたかったのに...」と言う.フィは「まだ痛みますか?」と聞くが.ジウンは「いいえ.そんなに私が心配でしたか?」と聞くがフィは答えない.更にジウンは「私以上に優秀な司書は他にいませんから心配でしょうね」と笑う.フィは「よく笑えますね」とジウンの身体を叩いて身体を離すと,ジウンは「本当はすごく痛いんです」と言う.フィは「チョン司書,大丈夫ですか.つかまって」と再びジウンの身体を支え歩き出す.
三開房の前につくと,チャウン君が出てきて「ご無事ですか?なぜ世子様が?」とフィを心配する.フィは「ひどいですね.私に黙って」と答える.チャウン君とジウンは顔を見合わせ,返答ができない.フィは「どうするおつもりですか?私もご一緒させてください」と2人の顔を見る.
太監に会った朝鮮人の男の似顔絵を見て「なぜ,この者を?」と店の者に聞くフィ.
そして「趣味で高級品を収集しているのだ.よい品物を持っているという噂を聞いた.紹介料はたっぷり支払う.」と言う,横で話を聞いていたジウンは,店員に「これで十分だろう」とお金を渡す.店員は「うちが買った物もあります」と言い,ジウンは「では,それも我々がもらおう」と言い,フィが「買い値の倍で」と言う.店員は「かなり値が張りますが大丈夫ですか?」と言うと,ジウンは「見ての通り,我々は顔と財力には自信がある」とお金の入った袋を渡し笑う.
店員は「こちらです」と品物を渡し,「博打好きのようで.“明国の後宮の父親だ”と威張っておりました.忘れもしません」と言い,店員は「こんな値打ちのある品物を?お嬢様のお話は本当だったんですね.」と言うと,
似顔絵の男は「やっと信用したか.高値で買ってくれよ.」と言う会話を思い出す.
ジウンは地図などの絵を見ながら「まとまった金が手に入ったので必ず来るはずです.後宮の父と言う男から太監を脅す理由を聞き出せるはずです.」と言う.フィは「それが太監の弱みですね」と言う.
ジウンはジルグムと博打場を見張る.
博打をする後宮の父は「これは申し訳ない」と掛け金を取ろうとすると腕をつかまれる.つかんだのは髭を付け変装したジウンだった.ジウンは「この勝負は私の勝ちです.」と言う.後宮の父は「ちくしょう.最悪だ」と立ち去ろうとし,ジウンに「お待ちを,帰ると?」と止められる.後宮の父は「スッカラカンだからな」と言う.頬に大きなほくろを付けて一緒に博打に参加していたジルグムは「ひどいですよ.よくご存じでしょう.一人抜けると成立しない.そうだろう?」とジウンに同意を求める.ジウンは「座ってください.金なら貸します.そこまで非情じゃない」と,机に大金と商店で買った高級品を置く.ジルグムは「そんな上等な品をどこで?」と聞く.後宮の父は品物を見て「これは」と言う.ジウンは「それに見覚えが?かなり高価ですよ.明国の品物なので,」と小声で教えると,後宮の父は「知っておる.私が売った物だからな.」と小声で答える.ジウンは「そうだったんですか?こういうのを縁と言うか,どんなに探し回ったことか」と言いながら,後宮の父に近づく.
そこへ官軍が入ってきたため,ジウンは後宮の父を窓から逃がす.チャウン君もやってきて,ジウンと目で合図を送り合う.
山の中を逃げる後宮の父の前に立ちはだかるジウン.
後宮の父は「さっきの...何者だ」と驚くと,ジウンは髭を取りながら「それは秘密だ.一緒に来てもらおう.」と言う.後宮の父は短剣を取り出しジウンを脅す.ジウンは「物騒なマネはよせ.けがをするだけだ.」と言って,斬りかかる刀を持った腕をねじ伏せる.ジウンはわざと梨花らを緩め,その隙に後宮の父は逃げると,官軍を連れたチャウン君と出会う.そこへ後宮の父を追って.太監と護衛達がやってくる.ジウンは「ここは任せろ.絶対に奪われるな」とチャウン君に言い,チャウン君は後宮の父を連れていく.
ジウンは剣を取り戦い,わき腹を斬られる.
さらに斬られそうになったところ,弓矢が飛んでくる.ジウンとガオンが馬に乗ってやってきた.太監はそれを見て逃げる.ガオンは明国の剣客の大男の前に立ち,フィに「一人で大丈夫か」と聞かれ,「もちろんです」と答える.
フィはジウンに「遅くなりました」と言うと,ジウンは「とんでもない.危ないところだったので,助かりました」と言う.フィは脇を斬られたジウンをみて「馬へ」と言い,ジウンはガオンが乗ってきた馬に乗る.フィはガオンに「頼むぞ」と言い,馬を走らせる.
一人残ったガオンは大男と剣で戦う.
ガオンは,腹を斬り,大男の肩に乗って男の首に剣を当てると,大男は自分の剣を地面に落とす.
森の中で,フィはジウンの脇腹の傷を手当てする.
フィは「言ったはずです.ケガがないよう気をつけろと.」と言うと,ジウンは「すみません.」と言う.フィは「この程度の傷で大げさな」とお腹に包帯を巻く.ジウンは「大げさじゃありません.このとおり重症ですと.私だから耐えられるのです.」と言う.フィは「耐えてくださり,ありがとうございます.それから助けてくださり」と2人は目を合わせる.ジウンは「これからもずっとお助けします.世子様がお許しくださるなら」と言うと,フィはジウンの顔を見,そしてわざと包帯を強く結んだ.
世子の部屋に戻ると,後宮の父が立っており,「命だけはご勘弁ください」とフィに言う.フィは「ならば白状するのだ.太監が何を隠しておるのか」と言う.
迎賓館の食事の場に太監がくると,先にフィが席に着きお酒を飲んでいる.
太監は「なぜここに」と驚くと,フィは「まずはお掛けに」と声をかける.フィは「こうして酒を酌み交わせば,わだかまりは解けるのです」と太監がいった言葉を言い,酒を注ぐ.「和解のついでに,面白いものをお見せしたくてお呼びしました.誠に大胆な方ですね.皇帝の物に手を付けるとは.太監が皇帝の内ド金を管理していた帳簿です.」といって帳簿を太監に見せる.
太監は「なぜ,それを」と動揺し,フィは「要求された貢ぎ物はお渡しできません.これが明るみになれば大変お困りになるはず.違いますか?」と言う.
太監は「それを言うために私を呼んだのですか?」と聞くと,フィは「まさか,他にも隠していることがあるのですか?これは私が保管しておきます.他国で積み上げてきた功績を簡単に失うことになるのは不本意でしょう.」と言って,席を立つ.
太監は自室で「よくの世子に洗いざらい話してくれたな.」と後宮の父に怒りを表す.
「世子に脅され.どうすればいい?娘との仲が明るみになればおしまいだぞ.どうか娘を助けてやってくれ.と男は太監の足にすがるが,太監は男の首元をつかみ「そのことに,つけこんで私を脅したくせに」といらだつ.
太監は世子に会いに行く.
世子は「あの者には黙って去れと言ったのに太監を訪ねていくとは」と言う.
太監は「なぜ隠す?もっと大きな弱みを握っているのに」と聞く.
フィは「隠してなどいない.太監の情事を語らずとも,あの帳簿があれば十分だ.あのような話には興味を引かれなかった.だが,少し驚いたことは事実だ.娘を売り飛ばした後宮の父親と言う者に2人の関係を暴露すると金品を要求され,黙って従っていたとは...それだけ深く愛していたのか?皇帝の後宮を?」と言う.
太監は怒り「汚い口を閉じろ.ふざけたマネをしたら,この私が許さない.力の限りを尽くし,お前と朝鮮に復讐してやる」と言う.
フィは「“復讐?” そなたの親が子を売って得た物は米一俵だったとか.必死に歩いてやっと国境を越えたが異邦人という理由でひどい目に遭っただろう.毎晩 そなたを売った両親と罪のない民を捨てたこの国を恨み続けたはずだ.気持ちは分かる.今になって手のひらをかえす者を見てヘドが出る思いだろう.だが,言い訳にならない.そなたを恨む者たちを同類になってしまうぞ.」と言うと,太監は「偉そうにほざくな,私にとってはお前もそいつらと同類だ.」と言う.
フィは「そうだな.そなたの言う通りだ.いや,そなたを捨てた国の世子だ.私のほうがずっと憎いはずだ.」と言う.
太監は「黙れ.同情などご免だ」と言って立ち去ろうとする.フィは「同情ではない.ただ,この国の世子として,そなたに謝りたいだけだ.あの時,ひもじい思いをさせて去らせたことを許してほしい.そなたの秘密は墓場まで持っていく.愛を守るためにどれだけ苦しんだことか.私にも少しは分かる気がする.」と言うと,太監の表情は緩む.
太監は≪若い時に蹴られ,盗みの濡れ衣を着せられ,祖国に帰れといじめられたこと.一緒に売られた女官に,蹴られてできた傷を手当てしてもらったこと.子どもの時に,女の子に短剣を渡されたこと≫を思い出していた.
フィ,ジウン,チャウン君の3人で,明国の使臣団を見送る.
礼部侍郎は太監に「次はいつ戻れるか分かりませんよ.もう少し故国を見物されたらどうですか?」と問うと,太監は「何が故国だ.」と言って,振り返りフィを見,顔を緩ませる.ジウンとチャウン君はフィを見る.
フィ.ジウン,チャウン君の3人は食事の席に集まる.
フィは「2人とも恩に着ます.」とお礼を言い,横に立つガオンに「そなたにも苦労をかけた.今日は一緒に飲もう」と杯をガオンに渡す.ガオンは座り,杯を受け取る.
ジウンは「皆さん,酒は回りましたね.一緒に乾杯でもしましょう」と言い,4人は乾杯をする.ジウンは酒を飲むと脇腹が疼き,手で押さえる.その様子をみたチャウン君は「いつから世子様の忠臣に?あのチョン司書が」と言うと,ジウンは「私が義理堅い人間だとご存じでしょう,世子様」と言うと,フィは「そういうことにしておきましょう」と言う.
ジウンは「世子様,ひどいですね.悲しいことを」と言ってフィに近づこうとすると,ガオンが間に入り止める.
ジウンは「落ち着け,世子様にいう事が・・・」と言うがガオンはジウンを突き飛ばす.それを見てフィは声を出して笑う.
ジウンは「何がおかしいのですか?」と言って立ち上がり,「今回は聞き流せません.悲しいことを言わないで」と反対側に回りフィに近づこうとするが,ガオンに押され近づけない.
フィは「お座りください.」と言い,ジウンは「チャウン君も笑ってないで何とか言ってくれ.」と言う.
食事も終わり,フィ,チャウン君,ガオンは立ち上がるが,ジウンは「世子様.もう一杯飲みましょう.もう一杯だけ」と絡むが,腕をガオンにつかまれる,「邪魔するな.世子様に話をしているのに.もう一杯飲みましょう」と言うと,再びガオンに腕をつかまれる.
チャウン君はガオンに「チョン司書を頼む.世子様は私が」と言い,ガオンはうなずく.
ジウンは横になりながら「私は酔っていない.チャウン君.世子様あと一杯だけ,一緒に飲みませんか」と言いながら,ガオンに腕を引っ張られ移動させられる.
ガオンは侍講院にジウンを連れていく.
「なぜこんなに力が強い,黙ってないで何とか言ってみろ」とガオンに絡み,「もう一杯だけ,どうだ?以前から,そなたを兄弟のように思っていたんだ.そなたもそうだろう?」と言う.ガオンは「別に」と言って,ジウンの腕を払う.「まったく情のない男だ」と呟き,侍講院の床に横になる.大の字になり,フィが笑う姿を思い出し,一緒に笑顔になる.「なぜ笑いが..なぜ...なぜだ.一体どうして」と驚く.
フィは王宮の庭を歩き,目の前の蛍に手を伸ばし追いかける.
すると秘密の扉の前に来る.扉を開け,中に入ると,ジウンが整備した花と沢山の蛍が庭中にあるのを見つける.
庭を散策し蛍を見つめていると,「世子様」と声かけられる.ジウンが一人でお酒を飲んでいた.突然声をかけられ驚いたフィは「なぜ一人でこんな所に?」と聞くと,ジウンは言葉を濁す.
2人で酒を囲み座る.
ジウンは「驚きました.ここを知っているのは私とあの子だけなので.」と言う.フィは「もしや以前話していた宮女のことですか?」「蛍を追いかけてきて,偶然見つけたのです.戸があったので...」と答える.ジウンはうなずき酒を飲む.
庭の花をみてフィは「チョン司書が植えたのですか?」と聞くと,ジウンは「はい」と答える.フィは「それであの時花を持っていたのですね」と笑う.「ところで,この酒は何ですか?」とフィが尋ねるち,ジウンは「眠れないし,みんなそっけないし,やっと調子が上がり始めたのに」と答える.フィは「それで王宮内でいつも飲んでいるのですか?」と聞くとジウンは「いいえ.時々です...はい,否定はできません」と答える.
フィは「誠にチョン司書らしいですね」と笑う.
笑うフィをジウンは見つめ「笑わないでください」と言う.フィは「はい?」と言い,ジウンも「はい? いいえ,そうではなくて,つまり...お聞きしたいことがあったのです.後宮にとって太監が生きがいだと思って黙って帰したのですか?」と聞く.
フィは「思いのままには生きられない人たちです.隠し通すしかない2人の気持ちが気の毒になったのです」と言う.
ジウンは「本当に不思議です.妓楼で会った時の冷たさはどこに消えたのか.こんなにお優しいお方だったのか」と言う,照れ隠しするフィの横顔を見て,ジウンはお酒を飲む.
フィは,それを見て「ゆっくり飲んでください.さっきも沢山飲んだのに」と言うと.ジウンは「少し喉が渇いて」と誤魔化す.
ジウンは,フィの横顔を見つめ,フィの横顔にキスをする.
驚くフィと顔を近づけているジウンは見つめ合う♡
≪以上≫
感想
やっとフィとジウンが近づきました.
世子を男と思っている道義の師であるジウンは,フィにときめく心に戸惑うはずです.今後,その点がどのように展開するか!?
フィが女性と知る2番手チャウン君との三角関係の気になります.
今回は初めてサンホン君とソクチョの出演がなく,本当に良かった.
第9話 あらすじ
最後まで読んでいただき,ありがとうございます.